その人を知らざれば、その友を見よ

孔子

10日ほど前に下宿先から帰ってきました。新幹線で博多駅に降り、そこから実家にほど近い駅へ。変わらない風景変わらない街並み。改札口を抜けると寂しい夜の街をネオンが暖かく包んでいる。変わらないなあと思いつつ、階段を駆け上る。その上からは今乗ってきた電車が遠くへ走って行ってるのが見える。夜風を避けつつ、階段を下りスケボーに夢中な若者達を尻目に車へ乗り込む。何も変わっちゃいない。

ガッツ(ベルセルク)が言ってたように帰ってきたところが何も変わっていないっていうのは良いものだ。街並みも人も。その同じ風景、同じ人間は一抹の寂しささえ与えてはくれない。例えその駅の隣にそびえ立つ田舎の街に似合わない巨大な鉄筋サッカースタジアムのサッカーチームサガンなんたらがJ2史上最悪な結果を去年残してたとしても、俺は泣かない。いつものことだし。てか、そんなサガンが実はダイスキやし。

まあそれで今回1ヶ月半ここにいて、免許を取ってしまおうと考えてます。それに友達ともどっか遊び行きたいし、もち福岡にだけど。だから毎日(日曜以外)自動車学校へ行ってますが、そんなに楽しくはない。教官は高圧的だし、別の自動車学校の教官を指名してしまって紹介料は友達に入ってこないし、学科はつまんないし・・・。

でもね、入校4日ぐらいたって、友達が入ってきました。やっぱり退屈しのげるし、寂しさをしのげるからいいわけで、友達のちん(仮名)がきました。時間合うときはいっしょに行くことにしました。ちんも下宿してて、帰ってきたうちに免許を取るべくきたらしい。一応ちんとは小学生辺りからの友達で高校ではあまり話さなかったがたまに遊んでたって感じです。家近いし。おまけに自動車学校にも近い。それで先週何度かいっしょに行ったりしました。

それで、学科の待ち時間などで、いろんな世間話をしました。その中でパソコンをやってるとちんはいいました。ほー!去年までアナログ人間だったのに変わったなあと興味を持ちました。でも大学生となればレポートなどに使うし、ネットなども使うしあたりまえかと思った。

「ネット使いよるかー?」
「いいや、つないでない。」

ん?ということはWORDとか使うために20数万の物体を買ったのかい?と心の中で反芻してた。とは言っても俺もWORDぐらいしか大学でまだ使わないし、他はネットぐらいだもんな。

「今日行っていい?」
「ああ」

とちんの家に出動。ちんの部屋にはジャパネットたなんとかから買ったFMVが鎮座しておられました。あきらかに俺のVAIO様より高性能な感じにピクピクしました。まあ俺の中ではS○NY>FUJIT○Uだし。

銀色に映えたノートパソコン。起動までの静寂の中、ちんがおもむろに口を開いた。

「カ○ンって知ってる?」

「ん・・・?ああ。ギャスパー・ノエ監督の映画やろ」

ここでこんな返答をするのは正解だろうか?

「ん・・いや・・・。」

「何よ?」

「ん・・ええと。」

スタンバイ画面へ。

ポチ。

♪チャラ〜ン♪





(゜Д゜)ハァ?



何でしょうこのディスクトップの2次元の女の子は!



「・・・・はまっとるっちゃん」

ガ━━ΣΣ(゜Д゜;)━━ン

はまっとるっちゃん!!はまっとるっちゃんっておい!!



そういうとおもむろにちんはマイコレクションなるものを見せ始めた。

絶句。
痛い。2次元の女の子全員の氏名を見事に書いてるのが痛い。

「・・・楽しい?」

「けっこう楽しいばい。」

「俺○○大学行ってよかった。そこに行かなかったらこういうソフトやゲーム、それに教えてくれた友達に会えなかったもん。」

果たして本当に彼にとってよかったのだろうか?しかし、最初は動揺を隠せなかった俺もまあちんが楽しそうにしてるし、いいんじゃねえのと思い始めた。ある種差別でもあるからな。明らかにアキバ系でも変な目でみるのは間違ってるしな。本人達が楽しければそれでいいんだし。俺もたまにネット上で拾うしな。まあちんと違って全部18禁・・・(以下省略)

ある程度見せると、まあ正直ネットはつないでない、あるのは2次元画像というちんのパソコンを閉じ下へ。

「あっ!親父がいない。」

仕事でどっかいったちんの親父。

「ゲームしよう。」

「じゃあ俺は学科の勉強するわ。」

俺はリビングのいすに座って、学科の本を読み始めた。

ちんはいそいそとPS2を準備している。

しばらく俺は学科の本を読みふけっていた。するとかすかにあの甘い声が俺の耳に聞こえてきた。

「んっもう・・・・」

( ゜Д゜)ハッ

( ゜Д)チラッ

カ○ンキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!

「おっ、おい。PSも持ってんのか!?」

「ああ。PS声つきやもん。この声宮○ゆうなんたらやで」

声優名キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!

帰り道の夜風がすごく凍みた。気がつけば田舎だったこの街もでっかいマンションやらでっかいブランドショップなんかが建とうとしている。新幹線の通る駅なんかもできようとしつつある。それは九州一の交通の要所であるこの街だからこその必然なのであろう。変わってないと思っていたんだが。

でも、ちんは変わるべくして変わったのだろうか?結局はまあ彼が楽しければそれで正解なのだろう。変わらないっていうのは良いものだと思ったが、変わった世界もそう悪くはないものだろうなと思う。俺に足を一歩踏み出す勇気をちんとこの街はくれるのかもしれない。

そんなわけないか。


ヘイ(・∀・)ヤー!!ヘイ(・∀・)ヤー!!ヘイ(・∀・)ヤー!!

王の帰還が各地で絶賛されているので、ビックスクリーンで観ることに決めた。文芸ジャンキーさんのサイトではテレビ画面で観るのは作品への冒涜と言ってますしね。
それに↓
http://news6.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1076474920/l50
いいですねえ。改めてピージャクさんの素晴らしさを知る。

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